近年、職場における経済的なストレスが、個人を超えてチームや組織全体に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
特に、2024年にニューメキシコ大学(University of New Mexico)で行われた研究では、リーダーの個人的な財務的ストレスが、チームの生産性やエンゲージメントにどのように波及するかを明らかにしています。

この研究の主要な発見として、リーダーの経済的ストレスがチームに波及し、生産性の低下やエンゲージメントが1-2割の減少を引き起こす可能性がある点が挙げられます。
これは、リーダーが経済的ストレスを感じると、自分のコントロールが効かなくなったと感じ、それを補うために、チームに権限を与えるのではなく、自分自身に意思決定権を集中させるようなチーム構成をとろうとするからとニューメキシコ大学アンダーソン経営大学院のトレバー・スポールマ准教授は述べています。




特に、低所得のリーダーや経済的に不安定な組織でこの影響が顕著でした。
スポールマ氏はまた、リーダーは経済的プレッシャーにさらされると、虐待的な行動をとる可能性が高くなることを発見しました。
リーダーは経済的ストレスが大きいほど、自分のコントロール力が低下していると感じ、そのため、部下を嘲笑したり、貶めたりするといった虐待的なマネジメントによって、職場でのコントロールを取り戻そうとする傾向が強いのです。
これは女性リーダーよりも男性リーダーに多く見られます。
スポールマ氏は、「男性のリーダーは経済的なストレスに対して敏感に反応し、虐待的な監督行為に及ぶ可能性が高い」と述べています。
この研究は、経済的ストレスが個人的な問題にとどまらず、職場の他の人にも波及する可能性があることを示しています。
「これは、私たちが組織にとって経済的ストレスがもたらす真のコストを過小評価している可能性が高いことを意味します。企業は身体的および精神的健康のサポートと同様に、福利厚生パッケージの一部として経済的健康を捉えるべきだ」とスポールマ氏は言います。
職場のリーダーが経済的ストレスを抱えると、そのチーム全体に悪影響が及ぼします。
リーダーも含めた全従業員の経済的ストレスの軽減の必要性を、企業経営者に伝えましょう!
全ての働く人たちのFinancial Wellnessにする金融教育経営を広げていきましょう!

