成果連動型賃金(P4P: pay-for-performance)は、従業員の経済的ストレスを高め、抗うつ薬・抗不安薬の使用が増えるというデンマークのオーフス大学の調査を紹介します。

これはデンマークの1,309社の成果型報酬導入状況と、約31.9万人の従業員の処方薬データを突き合わせた大規模な分析です。
研究の主要な発見は成果型報酬の導入後、抗うつ薬・抗不安薬の使用率が4〜6%増えることでした。
ここで重要なのは、「成果型報酬は報酬を増やす仕組みなのに、精神的健康コストを発生させうる」
という“逆効果”がデータで示された点です。
成果型報酬は、高パフォーマンスの人にとっては魅力的ですが、低パフォーマンスの人にとっては賃金の不安定感が高まり、経済的ストレス・心理的ストレスが高まってしまいます。
安定報酬はメンタル面で保険的な役割を持ちます。
もちろん、全ての成果報酬型制度が良くないという意味ではなく、安定報酬とのバランスが大切です。
適正な成果報酬は、従業員の満足度やモチベーションにも繋がりますが、その前提として経済的安心感が損なわれたら意味がないという研究の紹介でした。
その様な意味で、金融教育経営に取り組み、経済的支援として企業型DCなどで会社補助などを出す仕組みは、単なる経済的な意味だけでなく、月々の心理的な安心感の上乗せになるため、職場の経済的安心感を引き上げます。
それが従業員満足度の向上につながります。
職場の経済的安心感を高める金融教育経営を広げて、働く世代のFinancial Wellnessを実現しましょう!

