働く世代の経済的ストレスが高まっている
現在、働く世代の経済的ストレスが高まっています。日本は30年間にわたるデフレ時代を終え、物価高の時代に移行しました。
これまで物価がほとんど上昇せず、給与も停滞した「ぬるま湯」のような状態が続いていましたが、コロナ禍を経て2021年頃から急速に物価が上昇し始めました。
日銀が長年掲げてきた消費者物価指数(CPI)2%という目標は、長らく達成が難しいと感じられていましたが、現在では2%を超える水準が定着しています。
この変化は、コロナ禍後のわずか4~5年で生じた急激なものです。その結果、日本では、特に働く世代や会社員が、これまで経験したことのない物価高に直面し、経済的ストレスが増大しています。食料品をはじめとするさまざまな商品の値上げが相次ぎ、生活への影響が顕著です。
記憶に新しい例として、お米の価格が挙げられます。「令和の米騒動」と呼ばれる事態で、2年前と比べてお米の価格が2倍に上昇しました。お米は日常的に欠かせない主食であるため、この値上げは多くの人々に強い衝撃を与えています。こうした身近な物価上昇が、経済的ストレスの急速な増大を招いているのです。
世論調査に見る物価高対策への要望
この状況を裏付けるデータが多数存在します。2025年の参院選後のアンケートでは、高市首相に期待する政策として「物価高対策」が圧倒的な1位となりました。日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査(2025年12月)でも、「首相に優先的に処理してほしい政策課題」の1位は物価高対策です。
他にも読売新聞の参院選時調査、テレビ朝日ANNニュースの調査、上毛新聞、中日新聞、日本海新聞など、全国規模から地方紙に至るまで、ほぼすべての調査で物価高対策が首位となっています。
自社調査の結果
当団体の関連団体でも独自調査を実施しました。20代から50代の会社員男女837人を対象に、「最近の物価高による経済的不安やストレスを感じているか」と尋ねたところ、89%がストレスを感じていると回答しました。
経済的ストレスは仕事の障害になる
経済的ストレスは、従業員の仕事のパフォーマンスを下げます。
集中力の低下やモチベーションの低下、従業員満足度の低下につながります。それは離職を呼び、企業の成長を阻害する重要な経営課題です。
経済的ストレスが仕事に与える悪影響は世界全体で多くの調査結果があります。本教科書で順次、紹介します。
インフレ先進国では従業員の経済的ケアは当たり前
インフレが先行するアメリカでは、従業員の経済的なケアは当たり前の様に浸透しています。多くの企業で企業型確定拠出年金が導入され、会社が当然の様に拠出しています。GAFAMの様な企業では従業員は専門のファイナンシャルアドバイザーに無料でアドバイスを受けられる環境が整備されています。
バンクオブアメリカが401k(確定拠出年金)導入済み企業800社超にアンケートをとったところ、経営陣の97%が従業員の経済的豊かさ(Financial Wellness)に責任を感じていると回答しました。また、8割の経営陣が80%の雇用主が従業員満足度や、忠誠心(ロイヤリティ)、生産性、エンゲージメントの向上に効果があると回答してます。
日本でこれから求められる金融教育経営とは
日本でも本格的な物価高時代を迎える中、会社として従業員が安心して長く働ける環境を整備し、従業員の経済的豊かさ(Financial Success)の実現を支援する金融教育経営が必要な時代になりました。
金融教育経営を通じて、従業員の生涯所得の向上を支援し、経済的豊かさを共に追求する姿勢が働く世代の支持を得る時代になりました。本書で金融教育経営について学び、実践して見ましょう。









