深刻化する人手不足

深刻化する人手不足

現在、日本全体で人手不足が深刻化しており、多くの企業が正社員の不足に悩まされています。帝国データバンクの2025年1月の調査によると、企業の53.4%が正社員の不足を感じており、これはコロナ禍以降で最も深刻な状態です。

業種別に見ると、情報サービス業(IT関連)や建設業の人手不足割合が特に高く、他の業種を上回る割合を示しています。情報サービス業ではデジタル化の進展に伴う需要増大が、建設業ではインフラ整備や住宅需要の継続が背景にあり、どちらも慢性的な人材不足を抱えています。他の業種も全体的に高い水準で推移しており、ほぼ全ての業界で人手不足が共通の課題となっています。

65%の企業が人手不足と回答

別の調査として、日本商工会議所の調査(2024年9月)では、65.5%の企業が深刻な人手不足の状態にあると回答しています。「深刻」とは、事業運営に既に影響が出ており、今後の事業継続に支障を来す恐れがあるレベルを指します。

また、中小企業白書の2024年版によると、中小企業の経営課題として最も優先度が高いのは人手不足で、人材確保が圧倒的な1位になっています。次点の人材育成を上回るほどで、資金繰りなどの財務関連課題よりも上位に位置づけられています。

人手不足は構造的な問題

人手不足の問題の根底には、日本における労働力人口の減少という構造的な要因があります。総務省の情報通信白書によると、15~64歳の生産年齢人口が年々減少傾向にある一方で、65歳以上の高齢者人口が増加していることが明確です。

この人口構造の変化は、労働市場全体の供給を減らし、需給ギャップを拡大させています。

リクルートワークス研究所の調査によれば、2040年には、必要な労働力が6800万人に対して供給が5700万人しかなく、1100万人の不足が生じると予測されています。この人手不足は、単なる一時的な現象ではなく、日本全体の労働市場の構造的な問題として認識する必要があります。