経済的ストレスが職場で集中力を低下させ、生産性を下げるメカニズムを生理学的に解説します。
人間はストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールが大量に分泌されます。
このコルチゾールは、短期的に「戦うか逃げるか」の反応を促しエネルギーを供給します。
しかし、それが慢性的分泌される状態=ストレスが継続する状態になると、逆効果となります。
コルチゾールの慢性的な増加は、脳の前頭前野の機能を低下させます。

前頭前野は、短期記憶の保持と操作や、計画立案などの実行機能を担う仕事で重要な部位です。
意思決定、問題解決、注意集中、感情制御といった高次認知機能を司る部位です。
高レベルのコルチゾールは、前頭前野のトップダウン制御(論理的思考や計画立案)を急速に損ない、代わりに扁桃体(感情処理の中心)のような原始的な脳部位を活性化します。
これにより、慢性的なストレス下ではリスク判断が偏り、問題解決能力が低下し、集中力が散漫になるのです。

ケンブリッジ大学の研究者達の研究によれば、慢性的にコルチゾール(ストレスホルモン)が高い状態では、意思決定者はよりリスク回避的になることがわかりました。
「8日間持続してコルチゾールを上げた」被験者は,通常の状態と比べ、リスク回避傾向が強まり、意思決定が習慣依存(非論理的)になることが示されています。

また、コルチゾールが慢性的に上がっている状態では,男性では「低い確率を過大評価し,高い確率を過小評価する」傾向がより強くなることも明らかになっています。
経済的ストレスは、従業員の判断を鈍らせるコルチゾールを大量に生み出しています。
それが、集中力や生産性の低下につながります。
従業員の経済的悩みやストレスを解消する金融教育経営の価値や重要性を伝えて、生産性を高めて日本の企業の成長に貢献しましょう!

