金融教育経営の段階について

金融教育経営の目的である従業員のファイナンシャル・ウェルネス実現は一足飛びに達成されるものではなく、段階的に実現します。

まず「経済的安心感(Financial Safety)」を土台として、その上に「経済的豊かさ(Financial Wellness)」が実現されます。

第一段階である経済的安心感とは、日々の生活における経済的ストレスや、将来の経済的不安が軽減され、「生活が守られている」と感じられる状態を指します。

具体的には、収支の把握、貯蓄の確保、突発的な支出への備え、過度な借入の回避などが含まれます。この段階では、経済的ストレスの解消が主目的であり、従業員が安心して仕事や生活に向き合える基盤づくりが重要です。ここが欠けている状態では、その先の前向きな行動や意思決定は生まれにくくなります。

経済的安心感が確保されたら、次の段階としてFinancial Wellness(経済的豊かさ)の実現です。経済的豊かさを実感する為に、生涯所得の向上に取り組みます。具体的には長期的資産形成、適切な制度活用、可処分所得の向上、非課税所得の活用などを通じて、生涯所得を高めるプロセスです。この段階では、知識提供だけでなく、個々人の状況に応じた意思決定支援や行動支援が不可欠となります。Financial Wellness(経済的豊かさ)の実現は、本人が「心で実感できている」状態を意味します。

このような金融教育経営は、人手不足の中で採用力を高めたい企業、従業員の定着を重視する企業、従業員ファーストを掲げる企業に特に有効です。

また、健康経営や人的資本経営の一環としても親和性が高く、同業他社との差別化にもつながります。経済的安心感を高め、生涯所得を増やし、従業員一人ひとりのファイナンシャル・ウェルネスの実現を支援することが、これからの金融教育経営の中核であると言えます。

以上、金融教育経営の概要について解説してきました。金融教育経営とは経済的安心感を高め、生涯所得を増やし、従業員のファイナンシャル・ウェルネスの実現を目指す経営方針です。